しろんのブログ

詩集と写真

伝えたいこと

むかしむかしある所に
1人の女の子がいました

その子はお母さんと2人で
小さい町で暮らしていました

女の子は笑う事が大好きです
笑うと お母さんの表情が少し柔らかくなるからです

女の子はお料理が大好きです
作るとお母さんが褒めてくれるからです

女の子はとても良い子です
いい子でいればお母さんが怒らなくなるからです

お父さんがまだいた時
お母さんは女の子を産んだことをとても後悔したそうです

言葉の発達が遅すぎて上手く話せなくて
それが原因でトラブルが多く
女の子のせいで2人はとても嫌な思いをしました

殴れば良くなると思って
たくさん殴ったそうです

危機的な状況になれば
上手になると思い

毎日2人で大きな声で女の子を怒ったそうです

それでも女の子は上手に話すことはありませんでした

ある日お父さんは突然いなくなりました
きっと上手く話せなかったから出ていってしまったんだと
女の子は思いました

お母さんはとても悲しんで お家にいる時間が少なくなっていきました

女の子は良い子じゃない自分をとても責めました


女の子が少し大きくなった時
町に大きな津波が来ました

それはとてもとても大きな津波
女の子の大切な人や思い出や宝物は
全て無くなってしまいました

女の子はなんとか無事でした
しかし長い間 避難所にいた女の子を迎えに来る人はいませんでした

女の子のお母さんは無事でしたが、どこか遠くの避難所に避難していて
迎えに来れないそうです

今でも迎えに来てはくれません

避難所が閉鎖されてしまう頃

知らない大人が迎えに来ました
女の子はたくさんの子供達が集まる所で生活することになりました

そこで生活している人に教えてもらいました
あなたは話し方が気持ち悪いと
何を言ってるか分からないと

それから女の子は声を出すのを辞めました
声が出なければ気持ち悪くない
そう考えたのです

そしたら本当に声が出なくなりました

職員の人が心配をして病院に通うことになりました

その頃から
お家と学校でいじめが始まりました
薬を隠されて大きな音を鳴らされたり
服が無くなったり
給食に色々なものが入ってたり
閉じ込められたり
悪口をたくさん言われたり
物がなくなったり

ご飯が食べれなくなり
女の子は拒食症になりました

成長期の拒食症が原因で成長障害を起こしてしまい
女の子がそれ以上発達することは無くなりました

女の子には昔からの友達がいました
別な学校にいたその子は
女の子の状況がわかりませんでした

それを知ったのは
女の子が命を諦めようとした3度目の時でした

友達は泣きながらずっと女の子と一緒にいると誓いました

その女の子は
今はたくさんの素敵な人達に囲まれて
変わらず友達とも一緒にいて
当たり前と言われる日常を
幸せと噛み締めながら
今日も生きています