しろんのブログ

詩集と写真

造花はいつまでも美しい

私はよく笑う 笑うというか 笑顔を造る 誰にも悟られないように 見つからないように バレないように そうすればみんなが普通に接してくれるから 気を遣われないから 怖い目で見られなくて済むから 大丈夫じゃない時に笑顔で「大丈夫」 これ以上頑張れない時…

その花は、時を選ばず優しく咲く

手放してから 手に残った温かさが初めてわかる 何か無くしたはずなのに記憶を遮られるかのようにそれが何かを思い出せない 正解も不正解も経験してきた でもそれが正しいのか今も分からずにいるんだ 壮大に広がる草原に 黄金とも見間違える太陽の光に ポツリ…

繋がり輝く祝福の音色

あなたが見つけた可憐で美しい花は きっと安心や 優しさや 居場所を感じる花なんだと思う もっと近くで見たい 声をかけてあげたい 時には励ましてあげたい そう思っても 優しいあなたは ついつい引っ込み思案になってしまう それでもね この場所に集まる人達…

贈る言葉は春光のようにありたい

言の葉に心を包み あなたに贈る 有限な心だからこそ この心はあなたに贈りたい あなたの今日を特別にする言葉を あなたの心をほぐすような言葉を 凝り固まった心じゃ 誰かに心を配れないから 心を遣えないから 古来から続く 言の葉に心を包む贈り物 それは行…

春の宵

夜空がぼんやりと青く染る 春の夜空は星達を冬の星のようにキラキラとは見せてくれない すこし霞ませてしまうんだ それは星達への嫉妬なのか 花への贔屓なのか 少しだけ湿った風は人肌のように感じた 春の夜は少し意地悪だ こんなにも日の光は暖かいのに 夜…

鏡花水月

叫びが聞こえた気がして 振り向いたその先 鏡に映った私が居て 「1人になんかさせないで」と叫んでいた 苛立つような 嘆くような 食いしばるような 絞り出したその願いは 私にしか届いていなかった 鏡1枚で繋がる ワタシと私 繋ごうと伸ばした手は 冷たくて…

六花の花弁に染められていたくて

静かに揺蕩う水面を見つめてた 三日月だけが映る静かな静かな水鏡に 見とれて見惚れて魅せられていく 覗き込むと見たくもない自分がいた 石を投げつけ消そうとしても また ぼやぁと浮かんでくる そうか 私がここに居るから 見たくもない物を見るのか ならば…

真宵猫

あなたの織った衣に包まれた どうしようも無く勝手な私を 怒るわけでもない 春の夜風は独りではとても寒くて 新緑の木がケタケタと笑っていた 真っ暗な闇の中で 虹になる理由を探しては そもそも光が無いことに気づいた 手のひらの光の中にあなたがいた 空を…

初虹

雨が上がった煌めく虹を見つけた とても大きくて とても優しくて僕は虹の輝きを少しだけ分けてもらおうと その足元を探しに行ったんだ僕は何にも輝いてなくってさ 誰かから光を借りないと 誰も見てはくれなくて借りた光は どこかしっくり来なくて いつもは見…

張り詰める糸

細く細く ピンとまっすぐな綺麗な糸の上を私はゆっくりと丁寧に歩いていく足の付き方 手の振り方 スピードも 手の振りまで気をつけて完璧なまでに渡っていく 皆がその姿をみては歓喜して 素晴らしいと言ってくれる 果たしてそれは 糸から足を踏み外した時は…

異類無礙

慎重に選んだ言葉も 私の知らない所で不正解となっている知らずにその言葉を好きになって 配り歩いたその先に欠陥のレッテルを貼られた1冊の本があった愛でるように 溶けるように 文字の一つ一つを指でなぞる指と紙の擦れた香りが 心を落ち着かせてくれた そ…

春風はまだ少し冷たくて

桜が咲いてから散るまでにたくさんの出会いに胸を躍らせて 開いた世界に目を細め 尊い別れを惜しみながらこの儚い時間の意味を桜の木に問いかける手に取った花びらが愛らしい その花びらを身に纏う桜の木は 何を想いながら その花びらを散らすのだろう 春は…

華やかな世界の憂鬱

小さな小さな蕾の内緒話今年はちゃんと咲けるかな 気付いてもらえるかな写真なんて撮って貰えたら嬉しいねそんなワクワクする期待をクスクスと ドキドキする不安をヒソヒソと今日も内緒話周りを見れば大きな桜の木 桜が咲けばみんな上を見上げる 桜が散れば…

遅疑逡巡

優しい歌が聴こえた春風のような 温かくて撫でるようなそんな歌が 涙を流して歌うあなたが 手のひらに表した「それ」を 受け取りたいと思ったんだ あなたが私のそばにいる感覚が 何よりも落ち着いて 心強くてあなたから受け取ったそれを 今度は私が紡いで風…

忘却の彼方の落し物

閉じ込められたみたいに身体が動かないんだ綺麗なものを見たくて 美味しいものだって食べたくて あの物語の続きを見たかったのに身体は動いてくれなかった 初めは焦りとか罪悪感とかあったんだ甘えちゃダメだ これは自分がしっかりすれば治るんだホントにそ…

春隣

冬が終わる凍えそうで 少しだけ寂しい季節を人は光で 祝いで 愛で彩りを付けていくこんなに寒いからこそ空から降る雪が 天使に見えて 華に見えて 優しさに見えた あなたの体温がよく分かるのも 冬のせい寄り添う理由も 冬のせいこんなに心が温かくなるのは …

愛に理由なんて

ご飯を食べながら 涙ぐむ君どうしたのかと聞かなくても わかってるよ 毎日の辛いに耐えて 逃げ出したくても どうしても逃げられなくて擦り切れそうな心を擦りながら つま先をぼんやり眺めながら家路に着くボロボロで穴だらけの心の扉を 必死に閉じて 一日中 …

元々綺麗な君だから

傷付いた数だけ人を愛してた裏切られた数だけ人を信じてた泣いた数だけ愛していた 理不尽に痛ぶられるのはいつも綺麗な心綺麗なものは汚されるの? 穢されるの?傷の分だけ強くなるわけじゃない 涙の分だけ優しくなるわけじゃない強かったから傷付けられて …

見つけた

大衆の中で呟いた 誰にも聞こえないように小さな声で助けてと呟いた誰かに頼らないと生きていけないのに 誰かに頼るのがとても怖かった 生きるのが怖かった 自分は悪くないとわかっているのに 悪くない事が悪いようで何か悪い事を見つけとうと 目に止まった…

千紫万紅

小さな手のひらに 溢れんばかりの花の種ニコニコしながらみんなに配っていく 渡す度に優しい言葉をかけながら歩く度に希望の歌を歌いながら笑顔の人にも 落ち込んでいる人にも 顔をぐしゃぐしゃにして怒っている人にも必ず一つずつ花の種を渡していった 時に…

積み上がる絶望の墓に添える大輪の花

目を開ける自分が生きているんだって実感するこの世は地獄だと呟く人がいた地獄の罰がこの世ならば 私は前世にどれだけの罪を犯したのだろうこの世が幸せと云う人は 地獄の中にどんな光を見つけたのだろう 貫かれた喉 切れた頭上の糸 汚れた手私には光など見…

人生が長い長い旅ならば

重い重い 背負って歩いてどこまでもどこまでも歩いていく 先の先などは見えなくてただただ 右の足より前に 左の足より前に それを繰り返してその繰り返しに意味があるのかと 独り言のように自分に問いかけては数歩先の崖の底を覗きたくなる 真っ暗なのは知っ…

君の為に願う 望まれてもいない願い

カーテンを開けて 空が開いた振り返れば毛布の繭に包まる君がいた太陽の光が部屋を暖める 君の目には光が届いていないみたいだベタつく髪を撫でて 割れた唇にそっと触れるかすかに震えるその唇の意味を知りたくて 私の唇を重ねてみる何も見えない 何も聞こえ…

さざ波の中に君を探す

優しい さざ波の音を聞きながら 静かに目を閉じる まだちゃんと覚えてる恐怖も 後悔も 絶望も年を数える程に 花が少なくなってるように感じたそっか… こうして忘れられていくんだね 寂しさを感じながらも そうやってみんな前に進んでいったんだって思えば な…

生きてるだけで偉い

「生きてるだけで偉い」きっとこの言葉は 人の生活の中で比べたら 当たり前だろと言う人もいるのだろうそれ以上に色々な事を頑張ってる だから生きてるだけで褒められるのなら この日々の努力はなんなのかそう 思っているのかもしれない でもね 生まれた時に…

武る器と凶い器

人は言うこれだけの傷なら大丈夫って直ぐに治るからそう言って立ち去るんだあちこちには小さい小さい傷がたくさん治っても直ぐに新しい傷が出来るんだ 痛い…と言うよりは うんざりなのかもね 誰も傷跡には気づいてくれない 知ってる? 古傷の方が疼くと痛い…

吐き出す頭の中の戯言

苦しい物語を書く度に ため息が出るあなたの心の中を描きたいのに こんなにも私は無力で 何も掴めないこの手が酷く憎い人間って文字はね 私は支え合ってるなんて思わなかった善と悪の道の間に在るもの それが人間なんだって そう思っていた昔は下ばかり向い…

月明かり

ビー玉のような月を掴もうと 両手を広げ高く高く背伸びをした私の憧れとか夢だとか全部を詰め込んだ月は いつも満月を見せてくれる訳じゃないんだね細くなったり 見えなくなったり 隠れてみたり 赤くなったり 薄くなったりでもずっとそこにいるのが月なんだ…

雪の降る帰り道

雪の声はとても綺麗だった透き通るような染み込むような 包まれるような しんとした声耳をかする白い華の囁きは くすぐったいような 懐かしいような風で遊ぶ花びらは きらきら しゃらしゃら 舞い踊るように歌ってる今年もまた雪が降る 気まぐれに でも確かに…

硝子の心

我慢をした 我慢出来て偉いねって言われた泣かなかった 泣かなくて強い子だねって言われたとりあえず人前ではニコニコしていた 明るい子だねって言われた分からない事を聞いてみた 馬鹿な子だねって言われたやりたい事を言ってみた 無理しなくていいんだよっ…