あなたの織った衣に包まれた
どうしようも無く勝手な私を
怒るわけでもない
春の夜風は独りではとても寒くて
新緑の木がケタケタと笑っていた
真っ暗な闇の中で
虹になる理由を探しては
そもそも光が無いことに気づいた
手のひらの光の中にあなたがいた
空を見ないと言ったあなたの言葉が
随分と深く突き刺さった
それ以上、足を動かせなくなった
何度目かの行ってきますは
何度目かのただいまになってしまった
こんな愚かな私を
醜い私を
待っていた人がいた
有り得ないと思っていた
でも、たしかにそれはあったんだ
感謝とか謝罪とか
それよりも先に見えたのは
希望だった
そう
希望だった