しろんのブログ

詩集と写真

その花は、時を選ばず優しく咲く

手放してから
手に残った温かさが初めてわかる

 

何か無くしたはずなのに
記憶を遮られるかのように
それが何かを思い出せない

 

正解も不正解も経験してきた

でもそれが正しいのか今も分からずにいるんだ

 

壮大に広がる草原に

黄金とも見間違える太陽の光に

 

ポツリと立った自分が独り

 

自分の心の種はどんな水をあげれば芽を出すのだろう

知ってるはずなのに

この手には無かったんだ

 

果ての見えない草原の果てには

探していたものが見つかると

そう信じて歩いてきた

 

いよいよ疲れて腰を下ろしたその場所に

悪戯に笑う花があった

少しだけ下を向いた花

 

その花の足元だけ

乾いた土だった

 

手持ちの水筒の水をあげてみる

最初は染み込まなかった水筒の水を

土はゆっくりゆっくり吸い込んでいく

 

ふわっとその花が見上げた先に

自分の心の種があった

 

やっと見つけたと言わんばかりに

ゆっくり割れて顔を出した芽

 

探していたものはこんなにも近くにあったんだ

探していたものは笑顔だと

 

やっと気付いたんだ