しろんのブログ

詩集と写真

千紫万紅

小さな手のひらに
溢れんばかりの花の種

ニコニコしながらみんなに配っていく
渡す度に優しい言葉をかけながら

歩く度に希望の歌を歌いながら

笑顔の人にも
落ち込んでいる人にも
顔をぐしゃぐしゃにして怒っている人にも

必ず一つずつ花の種を渡していった


時にはこんなモノと罵られ
時にはもっとくれと集られ
時には偽善者と囁かれる



花の種が芽を出す理由は様々で

それは涙だったり
笑顔だったり
憎しみだったり
ため息だったり

どんな理由でも
芽が出る

誰かに渡す前に
芽が出てしまった彼女の花
その理由は一体なんだったのだろうか


彼女の手のひらから零れた種達が
色とりどりの花を咲かせたのは
何故なのだろうか

千紫万紅の感情の花畑

それはきっとあなたの中にもあるのでしょうね