小さな手のひらに
溢れんばかりの花の種
ニコニコしながらみんなに配っていく
渡す度に優しい言葉をかけながら
歩く度に希望の歌を歌いながら
笑顔の人にも
落ち込んでいる人にも
顔をぐしゃぐしゃにして怒っている人にも
必ず一つずつ花の種を渡していった
時にはこんなモノと罵られ
時にはもっとくれと集られ
時には偽善者と囁かれる
花の種が芽を出す理由は様々で
それは涙だったり
笑顔だったり
憎しみだったり
ため息だったり
どんな理由でも
芽が出る
誰かに渡す前に
芽が出てしまった彼女の花
その理由は一体なんだったのだろうか
彼女の手のひらから零れた種達が
色とりどりの花を咲かせたのは
何故なのだろうか
千紫万紅の感情の花畑
それはきっとあなたの中にもあるのでしょうね