しろんのブログ

詩集と写真

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

造花はいつまでも美しい

私はよく笑う 笑うというか 笑顔を造る 誰にも悟られないように 見つからないように バレないように そうすればみんなが普通に接してくれるから 気を遣われないから 怖い目で見られなくて済むから 大丈夫じゃない時に笑顔で「大丈夫」 これ以上頑張れない時…

その花は、時を選ばず優しく咲く

手放してから 手に残った温かさが初めてわかる 何か無くしたはずなのに記憶を遮られるかのようにそれが何かを思い出せない 正解も不正解も経験してきた でもそれが正しいのか今も分からずにいるんだ 壮大に広がる草原に 黄金とも見間違える太陽の光に ポツリ…

繋がり輝く祝福の音色

あなたが見つけた可憐で美しい花は きっと安心や 優しさや 居場所を感じる花なんだと思う もっと近くで見たい 声をかけてあげたい 時には励ましてあげたい そう思っても 優しいあなたは ついつい引っ込み思案になってしまう それでもね この場所に集まる人達…

贈る言葉は春光のようにありたい

言の葉に心を包み あなたに贈る 有限な心だからこそ この心はあなたに贈りたい あなたの今日を特別にする言葉を あなたの心をほぐすような言葉を 凝り固まった心じゃ 誰かに心を配れないから 心を遣えないから 古来から続く 言の葉に心を包む贈り物 それは行…

春の宵

夜空がぼんやりと青く染る 春の夜空は星達を冬の星のようにキラキラとは見せてくれない すこし霞ませてしまうんだ それは星達への嫉妬なのか 花への贔屓なのか 少しだけ湿った風は人肌のように感じた 春の夜は少し意地悪だ こんなにも日の光は暖かいのに 夜…

鏡花水月

叫びが聞こえた気がして 振り向いたその先 鏡に映った私が居て 「1人になんかさせないで」と叫んでいた 苛立つような 嘆くような 食いしばるような 絞り出したその願いは 私にしか届いていなかった 鏡1枚で繋がる ワタシと私 繋ごうと伸ばした手は 冷たくて…

六花の花弁に染められていたくて

静かに揺蕩う水面を見つめてた 三日月だけが映る静かな静かな水鏡に 見とれて見惚れて魅せられていく 覗き込むと見たくもない自分がいた 石を投げつけ消そうとしても また ぼやぁと浮かんでくる そうか 私がここに居るから 見たくもない物を見るのか ならば…

真宵猫

あなたの織った衣に包まれた どうしようも無く勝手な私を 怒るわけでもない 春の夜風は独りではとても寒くて 新緑の木がケタケタと笑っていた 真っ暗な闇の中で 虹になる理由を探しては そもそも光が無いことに気づいた 手のひらの光の中にあなたがいた 空を…

初虹

雨が上がった煌めく虹を見つけた とても大きくて とても優しくて僕は虹の輝きを少しだけ分けてもらおうと その足元を探しに行ったんだ僕は何にも輝いてなくってさ 誰かから光を借りないと 誰も見てはくれなくて借りた光は どこかしっくり来なくて いつもは見…

張り詰める糸

細く細く ピンとまっすぐな綺麗な糸の上を私はゆっくりと丁寧に歩いていく足の付き方 手の振り方 スピードも 手の振りまで気をつけて完璧なまでに渡っていく 皆がその姿をみては歓喜して 素晴らしいと言ってくれる 果たしてそれは 糸から足を踏み外した時は…

異類無礙

慎重に選んだ言葉も 私の知らない所で不正解となっている知らずにその言葉を好きになって 配り歩いたその先に欠陥のレッテルを貼られた1冊の本があった愛でるように 溶けるように 文字の一つ一つを指でなぞる指と紙の擦れた香りが 心を落ち着かせてくれた そ…

春風はまだ少し冷たくて

桜が咲いてから散るまでにたくさんの出会いに胸を躍らせて 開いた世界に目を細め 尊い別れを惜しみながらこの儚い時間の意味を桜の木に問いかける手に取った花びらが愛らしい その花びらを身に纏う桜の木は 何を想いながら その花びらを散らすのだろう 春は…

華やかな世界の憂鬱

小さな小さな蕾の内緒話今年はちゃんと咲けるかな 気付いてもらえるかな写真なんて撮って貰えたら嬉しいねそんなワクワクする期待をクスクスと ドキドキする不安をヒソヒソと今日も内緒話周りを見れば大きな桜の木 桜が咲けばみんな上を見上げる 桜が散れば…

遅疑逡巡

優しい歌が聴こえた春風のような 温かくて撫でるようなそんな歌が 涙を流して歌うあなたが 手のひらに表した「それ」を 受け取りたいと思ったんだ あなたが私のそばにいる感覚が 何よりも落ち着いて 心強くてあなたから受け取ったそれを 今度は私が紡いで風…