慎重に選んだ言葉も
私の知らない所で不正解となっている
知らずにその言葉を好きになって
配り歩いたその先に
欠陥のレッテルを貼られた1冊の本があった
愛でるように
溶けるように
文字の一つ一つを指でなぞる
指と紙の擦れた香りが
心を落ち着かせてくれた
それを奇異な目で見られていた事に気付いてからは
本を開くのも怖くなった
私の好きは
私の常識は
私の趣向は
特異的なものだった
それでもいいと思って歩いてきたけど
人は独りでは生きていけないらしい
今日は君に甘えさせておくれ
ふたりぼっちという言葉があるのなら
それは君とがいい