しろんのブログ

詩集と写真

張り詰める糸

細く細く
ピンとまっすぐな綺麗な糸の上を

私はゆっくりと丁寧に歩いていく

足の付き方
手の振り方
スピードも
手の振りまで気をつけて

完璧なまでに渡っていく



皆がその姿をみては歓喜して
素晴らしいと言ってくれる


果たしてそれは
糸から足を踏み外した時はどうなってしまうのか

時々怖くなる

落ちた私は嘲笑われてしまうのだろうか
糸の上で震える私を誰も気づかない

少しバランスを崩しただけで
みんなの声のトーンが1つ下がるのがわかった

完璧を求めた先には
途方もない圧力があったんだ

私が落ちた時に
きっとみんなは避けるのだろう

誰もいない所に叩きつけられてしまうのだろう

もし1人でも受け止めてくれる人がいたのなら
私は避けてと言うだろう
その人まで巻き込んで潰したくは無いのだから

そんな疑心暗鬼に苛まれながら

今日もみんなの励ましの声に勇気をもらい
心の鬼に立ち向かうのだ