2024-05-06 風光る 私の髪を撫でるように 少し甘い香りの風に乗って綿帽子が出迎えてくれた 見上げれば生まれたての新緑の世界 そのみずみずしさは、私の空っぽのコップを満たすように その木々の笑顔は欠けて、ひび割れた心を慰めるように ただただ 優しく眩しかった 隠れるように 鮮やかに不規則に咲き誇る山藤は 私に何か言いたげに風に揺らいでいた 自然は無情に無条件にそこにある 今はその当たり前に包まれていたくて 道端のベンチに そっと腰を下ろした