しろんのブログ

詩集と写真

風光る

私の髪を撫でるように

少し甘い香りの風に乗って綿帽子が出迎えてくれた

 

見上げれば生まれたての新緑の世界

そのみずみずしさは、私の空っぽのコップを満たすように

 

その木々の笑顔は欠けて、ひび割れた心を慰めるように

 

ただただ  優しく眩しかった

 

 

隠れるように

鮮やかに不規則に咲き誇る山藤は

 

私に何か言いたげに風に揺らいでいた

 

 

自然は無情に無条件にそこにある

今はその当たり前に包まれていたくて

 

道端のベンチに

そっと腰を下ろした