遠くの夜景がやけに眩しく見える
それは月の光を霞ませるように
星の呟きをかき消すように
ギラギラとチカチカとあんなに遠くで光ってる
膝を抱えて座る僕は
その光がとても鬱陶しく
目を瞑り、消えろと呟いた
身に覚えの無い期待に振り回され
型番を背中に刻まれたような人生を
その背中を
誰が憧れ、歩むというのだろうか
目を開くと映える世界がひどく濁って見えた
暗い暗い夜に照らされて
暗闇に見えるオーロラに
静寂から聞こえる耳鳴りに
すがるように寄り添った
朝日が世界を包み込み
照らされた道を歩めと
また今日も耳元で怒鳴られる
真っ白になった頭の中は
まるであの暁光のようだ
お待ちかねの希望の光ですよと
言わんばかりの傲慢な光を
横目に睨みつけ
僕は太陽に舌打ちをした
陽気に嗤っていればいいさ
握り締めたその拳は
とても、とても小さかった