しろんのブログ

詩集と写真

夜光

遠くの夜景がやけに眩しく見える

それは月の光を霞ませるように

星の呟きをかき消すように

ギラギラとチカチカとあんなに遠くで光ってる

 

 

膝を抱えて座る僕は

その光がとても鬱陶しく

目を瞑り、消えろと呟いた

 

身に覚えの無い期待に振り回され

型番を背中に刻まれたような人生を

その背中を

誰が憧れ、歩むというのだろうか

 

目を開くと映える世界がひどく濁って見えた

 

暗い暗い夜に照らされて

暗闇に見えるオーロラに

静寂から聞こえる耳鳴りに

 

すがるように寄り添った

 

 

朝日が世界を包み込み

照らされた道を歩めと

また今日も耳元で怒鳴られる

 

真っ白になった頭の中は

まるであの暁光のようだ

 

お待ちかねの希望の光ですよと

言わんばかりの傲慢な光を

横目に睨みつけ

 

僕は太陽に舌打ちをした

 

陽気に嗤っていればいいさ

 

 

 

握り締めたその拳は

とても、とても小さかった