しろんのブログ

詩集と写真

鏡花水月

叫びが聞こえた気がして

振り向いたその先

 

鏡に映った私が居て

「1人になんかさせないで」と叫んでいた

 

苛立つような

嘆くような

食いしばるような

 

絞り出したその願いは

私にしか届いていなかった

 

 

鏡1枚で繋がる

ワタシと私

 

繋ごうと伸ばした手は

冷たくて硬い感触で遮られてしまった

 

置いていかれた感情は

戻りたいと今日も叫んでる

 

 

五月蝿い!と振り上げた拳は

随分前から血だらけになっていた

 

 

もういいんだよ

今度は広げた手の平で

撫でてあげたいんだ