しろんのブログ

詩集と写真

君の為に願う 望まれてもいない願い

カーテンを開けて
空が開いた

振り返れば毛布の繭に包まる君がいた

太陽の光が部屋を暖める
君の目には光が届いていないみたいだ

ベタつく髪を撫でて
割れた唇にそっと触れる

かすかに震えるその唇の意味を知りたくて
私の唇を重ねてみる

何も見えない
何も聞こえない
何も
何も感じない

流れる涙だけがハッキリしていて
無力さだけが確かに伝わった


ああ

私に言葉を 感情を 心情を
教えて欲しい

心が震えるような
胸が熱くなるような
壁を貫くような

そんな言の葉が欲しい

この世の全ての色ほどある感情を描ける筆を

侘びも寂びも情熱も哀愁もすべてを表せる感性を

どうかこの身に宿ってはくれないだろうか

あなたの絡まってしまって出れなくなった心に

その心に触れられるのなら
悪魔にすら教えを乞おう

代償なら私の心を
白くあれと護ってきたこの心を

たとえあなたが望まなくても
気付かれなくても
それでもいい

私にとってあなたの笑顔には
それだけの意味があるから