しろんのブログ

詩集と写真

雪の降る帰り道

雪の声はとても綺麗だった

透き通るような染み込むような
包まれるような しんとした声

耳をかする白い華の囁きは
くすぐったいような
懐かしいような

風で遊ぶ花びらは
きらきら
しゃらしゃら
舞い踊るように歌ってる

今年もまた雪が降る


気まぐれに
でも確かに舞い降りてくる

幸せの妖精

空を見上げて
あなたが頬に触れる度に

溶けた雪と一緒に流れる涙を止められなかった

この一瞬だけは
怖くないって言えた気がした

食い縛った悲しみも
飲み込まれそうな虚無感も
勝手気ままな後悔も
矛先を間違えてしまった怒りも

今だけは
涙と一緒に流れてくれるといいな

そう思いながら
はぁ と空にため息をついた