雪の声はとても綺麗だった
透き通るような染み込むような
包まれるような しんとした声
耳をかする白い華の囁きは
くすぐったいような
懐かしいような
風で遊ぶ花びらは
きらきら
しゃらしゃら
舞い踊るように歌ってる
今年もまた雪が降る
気まぐれに
でも確かに舞い降りてくる
幸せの妖精
空を見上げて
あなたが頬に触れる度に
溶けた雪と一緒に流れる涙を止められなかった
この一瞬だけは
怖くないって言えた気がした
食い縛った悲しみも
飲み込まれそうな虚無感も
勝手気ままな後悔も
矛先を間違えてしまった怒りも
今だけは
涙と一緒に流れてくれるといいな
そう思いながら
はぁ と空にため息をついた