しろんのブログ

詩集と写真

白い吐息はおぼろ雲のように

吸い込んで吐いた吐息は溶けて消える

透き通るような風の中で

僕は誰にも聞こえないように

疲れたと呟いた


ヨレヨレになった服も
じんじん痛む脚も
その理由も分からないまま夜になった


思い出せるのは
重圧を感じた瞬間の一コマ

それだけが頭の中をぐるぐると駆け巡り

強くあれと期待される現実から目を逸らしたくなる


僕の守りたいものは
その期待
それでいいのか
わからなくなってくる

平穏を望みたいけれど
それでは生きていけないみたいで

生きるために働くけれど
いつもどこかで軋む音がするんだ


でも誰かに伝える事はしてはいけないのだと
自分に言い聞かせて
助けてもらいたい衝動を押さえ込んだ


そして同じように軋む音を鳴らす人に
優しく声を掛けるんだ

まるで自分が言って欲しい言葉を
その人に言いながら
自分も慰めるように

そんな自分勝手な優しさを繰り返し
行き場のないごめんなさいを
ただただ空へと呟いた

心に咲いた
反転した花は
まだまだ枯れそうには無いらしい