しろんのブログ

詩集と写真

紅葉

さわさわと冷たい風が流れてく

僕を見て恥ずかしそうに紅く染った君は
紅葉の葉を1枚くれた

手にそっと降りた小さな紅葉は
ほんのり暖かくて
いつまでも包んでいたくなった

風の強い日は
君が冷たくなってとても寒そうだから

その小さな紅葉と一緒に
君も包んで抱きしめた

冷たくなった場所を探しながら
ゆっくり
ゆっくりと

君が僕と同じ温かさになるまで
冷たくて寂しいその場所を
優しく撫でる

幸せなんだ

外が寒いから
こうして君を暖めてあげられる

暗くなるのが早いから
君を近くで見れる

空がとても澄んでいるから
月が綺麗と呟ける


鈴の音をかき消さないように
小さな声で囁きあった

薄い布団じゃ寒いから
今日も君をさがしちゃうんだ

散りゆく紅葉を眺めながら
冷たくなった手の平に
小さな紅葉が降りてこないか

青く紅い空を見上げて
好きだよと今日も呟いた