しろんのブログ

詩集と写真

寒露

閉じていく世界を眺めながら
伸ばしたその手に触れた冷たい声

舞い上がる枯葉に嗤われながら
見上げた空は撫でてはくれなかった

私の涙でも暖かく感じる程に
冷えた世界で
この涙も乾いてしまうのだと寂しく呟く


画面の向こうの温かい光が心地よくて
泣きついてしまいそうになる

全てが許されてしまいそうに思ってしまう優しい場所
でも外を見れば変わらない世界が広がっていく

どうにかして欲しい訳じゃない
可哀想なんて思ってもらいたいわけじゃない

でも知ってもらいたい自分がいて
慰めて欲しい自分がいて

何を守っているのか分からなくて
何を救って欲しいのか分からなくて

なぜか寂しくて


好きな食べ物を食べても
好きな曲を聴いても
好きな景色を見ても

モノクロに染っていく


目を閉じると見える黒いモヤモヤは
だんだん人の形になって私の目を塞いでいく
乾いた空気で喉がカラカラだ
息の仕方も忘れそうになる

黒い壁に絶望を感じて
初めて心に思う

誰か助けてと