しろんのブログ

詩集と写真

窮屈

みんなの記憶から消えていく

誰よりもそれを望んでいたのに
望まれていたはずなのに

消えてしまえば
なんて寂しいのだろう

みんなは望んだ記憶さえ消えていた

残ったのは
消えたくなくて でも消えてあげた自分の残滓

何が正しかったのだろう

正解が無い世界で
他人の正解に振り回される

意味の定義が無い世界で
誰かの定義が間違いないと思ってしまう

自分のために生きているはずなのに
自分を犠牲にして
誰かの贄に身を落とす

悲しいかな

弱者を守ろうと謳う社会は
強者を選りすぐり

1度傷ついた心は
社会の歯車になれない

歯車になれば
すり減って傷ついていくのに
歯車にならなければ
好きな事が
生きることが
どんどん窮屈になる

あれ?

窮屈なのはどっちだっけ……

そんな曖昧な世界

せめて愛しい仲間との時間だけは
深呼吸して慰め合いたい

世の中はこんなにも窮屈だから
今だけは両手を広げて
抱きしめ合いたい