しろんのブログ

詩集と写真

歩み

進んでも進んでも変わらない風景

周りにいた人達はどこか遠くに行ってしまった

変わらない風景に嫌気が差したのか
誰もいない孤独感に耐えかねたのか

僕はいつしか
足元の道しか見なくなっていた

空が青いのも
植物が緑色なのも忘れて
鮮やかな世界がモノクロに見えていた

頑張って進まなきゃいけないのかもしれない
少しでも早く
目標の場所に行かなきゃいけないのかもしれない

焦ってしまうよね
迷惑を掛けてしまってる
そう 思ってしまうよね

自然はこんなにも雄大
時が止まりそうなほどの悠久の流れを許しているのに

僕たちの世界はせわしなくて
右か左かを最短で決断することが是とされている

手間を無くし、それで生まれた刹那の時間に
また作業を詰め込んでいく

なぜこんなにも世界は忙しいのか
ゆっくりとした地球の時間の上で
なぜこうも時を惜しむのだろうか

余った時間があるならば
私は空を見つめる時間に使いたい
大切な人を心に描く時間に使いたい
誰かと笑い合う時間に使いたい

それが非合理で生産的なものでなくても
きっとそこに幸せが生まれるはずだから


今日を追われて走り続ける君へ

周りが君を置いていこうとも
早く来いと叫ぼうとも

私は隣にいるから
ゆっくり歩いていこう

先の人達が気になるかもしれない

でもね

もしかしたら
君の受け止めてる言葉の意味と
先の人達が言っている言葉の意味は
少しの違いがあるかもしれない

その違いを確かめるのは難しいからさ

今はただ
空を見ながらでも歩けるような

そんな速さで歩いてみよう

きっとそれが楽しいよ