しろんのブログ

詩集と写真

星の向こう側へ

澄んだ空気のせいで音を出さないように歩いた

枯葉のカサカサした音は誰かに見られてしまいそうで

静かにそっと歩いた


夜の散歩はなんだか特別な気がして
くすぐる風がなんだか気持ちいい

あなたのために一枚の写真を撮る
真っ暗な帳に空いた無数の穴のような

そんな夜空にため息をつく

光の先にもう1つの世界があるみたいで

なんだか寂しくなった


ふと目を奪われた

月が綺麗で泣きそうになった

あなたもいつかいなくなってしまうのでしょう?

そう思うと怖くなって

カメラのレンズで捕まえようとした


やっぱりレンズ越しでは本当の月は捕まえられなくて

この眼に焼き付けることしか出来なかった


夜の淵をさまようような僕は

あなたのもとへ行けるのだろうか


空が明るくなると
置いて行かれた気分になった

あれから

あなたに贈るはずの写真を見返しては

僕は溢れる涙の意味を

ずっとわからないでいるんだ