澄んだ空気のせいで音を出さないように歩いた
枯葉のカサカサした音は誰かに見られてしまいそうで
静かにそっと歩いた
夜の散歩はなんだか特別な気がして
くすぐる風がなんだか気持ちいい
あなたのために一枚の写真を撮る
真っ暗な帳に空いた無数の穴のような
そんな夜空にため息をつく
光の先にもう1つの世界があるみたいで
なんだか寂しくなった
ふと目を奪われた
月が綺麗で泣きそうになった
あなたもいつかいなくなってしまうのでしょう?
そう思うと怖くなって
カメラのレンズで捕まえようとした
やっぱりレンズ越しでは本当の月は捕まえられなくて
この眼に焼き付けることしか出来なかった
夜の淵をさまようような僕は
あなたのもとへ行けるのだろうか
空が明るくなると
置いて行かれた気分になった
あれから
あなたに贈るはずの写真を見返しては
僕は溢れる涙の意味を
ずっとわからないでいるんだ