世界は忙しく回っていて
身体は追いつこうと動き回って
頭は追いつかなくて
心は置いていかれて
考えがまとまらないまま日々を浪費してく
螺旋階段を降りるように
パタパタと足を運ばれる
転んでしまえばもう終わりと後ろから急かされながら
ある日私は転んでしまった
もう終わりだと、生きていけないなと
みんなに迷惑をかけてしまった
でもね、もう足は動かないんだ
そう思っていた時に
不意に心がゆっくりと追いついてきたんだ
その心には今までの記憶はほとんど残っていなかったけど
空が綺麗とか
風が気持ちいいとか
好きな花の香りとか
「私」を思い出させてくれた
そうだった 私はこれが好きだったんだっけ
黄昏に励まされながら
私は世界を見送ることにした