しろんのブログ

詩集と写真

君の涙を見せてほしい
その涙はきっと優しいんだね

そう言われて目頭に力が入るのがわかった


私の目は我慢ばかりさせていたから
咄嗟に泣く事を許されると
我慢と開放感でぐちゃぐちゃになってしまう


いつの日からだろうか
私は許されなければ泣けなくなっていた


泣きたい時に泣けば良いよ

そんな言葉を言われても


いつも泣きたい私は
泣く事は特別な事ではなくて

溢れる涙が目立ってしまうことを
ただただ恥じていた


私の涙は綺麗なんかじゃない

我儘と劣等感と嫉妬で出来ている


誰かの為になんて涙は流せない


目の見えない君に見せれる涙じゃないんだ


そう言っても溢れてくる

空気の読めない涙たちが止めどなく流れてくる


あぁ…煩わしい涙だ


行き場の失った涙が
頬に
首に
手に
纏わりついてくる


そんな涙で穢れた私を

君は探るように私の頬に触れる


「あたたかいね 君も君の涙も」

君の柔らかな手がまるでハンカチのように
私の頬を撫でた

私の耳に入ってくるあなたの温かさが

ただただ涙が流れるのを許して受け止めてくれる


いつも涙の向こうには私がいたのに

今はあなたが見えるんだ



でも嫌じゃない


誰かの為の涙は
私にはまだわからないけど

きっとそれは
あなたから教えてもらうのだろう


私の涙を綺麗と言ってくれた

その時にあなたから流れた涙が
世界中のどんなものよりも
とても綺麗で
美しかった