しろんのブログ

詩集と写真

サンタクロース

聖なる夜に
サンタクロースは彼女の元へと降り立った

凍った窓の外には白い雪と星がキラキラしていて
静寂がこんなにも美しい夜



こんばんは
僕はね、世界中の子供達にプレゼントを配っているんだ

そんなに高価なものは用意できないんだけど

その1つ1つにその子の素敵なところを
その子に教えてあげれるように
大切に用意したプレゼントなんだよ

その子の今年の後悔を
笑顔と共に希望に変えれるような
そんなプレゼントをたくさん用意したんだ

でもね

今年だけ

今年だけは

子供達に配れそうにないな


少し前にね

雪のように
静かに泣いてる君を見つけてしまったから

乾きそうにない枕を見てしまったから

この袋に入れられるだけ
君のプレゼントを考えてきたんだ
こんなにパンパンになってしまったよ

これでも入り切らなくて諦めたプレゼントもあるくらいなんだから

それで
明日の朝、君が笑顔になれたら嬉しいな

なんてね


一つだけ
このプレゼントだけは直接君に贈るね


今年は君だけのサンタクロースになれて良かった

メリークリスマス
おやすみなさい





夜明けの光が
静かに降る雪を宝石に変える頃

彼女にキスをして
サンタクロースは鈴の音と共に消えていった