しろんのブログ

詩集と写真

サクラ

「きれいだ」
ドキッとして振り向く
君の視線は上にあった
「サクラ 綺麗だよね」

ありきたりな勘違いに恥ずかしくてうつむく


そうだよ 何を舞い上がっているんだ僕は
そうだよ サクラが……なんだよね


君がいけないんだ

人混みの中を守るように歩いてくれるし
見上げればいつも目が合って
手の甲が何度も当たって……

そんな事があってから「きれいだ」なんてさ
僕のことかなって思っちゃったじゃん


君は全然ドキドキしてくれないのに
僕ばっかり意識しちゃってる

ズルいよ……

いっその事抱きついてしまおうか
いや、僕がもたない

綺麗なのはサクラだけ?
そんな事 言えるわけないじゃん

来年も一緒に見ようね
これなら言える


悶々とした時間から顔を上げたら
君がずっと見てた

「来年も一緒にみようね」

先に君に言われた

悔しいはずなのに
嬉しくて
口が緩んでしまう

幸せだな

こうやって君の事ばかり考えてしまう毎日が
ずっと続けばいいな