しろんのブログ

詩集と写真

膝を抱える

重い重い水の中

辛い気持ち
悔しい気持ち
虚無感

たくさんの気持ちを吐き出したいのに
「死にたい」の一言に詰め込んだ

膝を抱えてるから息が出来ない
立ち上がれば腰の高さにも満たない水面

分かってる

なぜ立ち上がらないのか
そう思うよね

隠れたいだけなのかも
立ち上がると叩かれるって知っているから
それがたまらなく痛いんだ

怖いのかも
立ち上がって
水面までもが上がってきてしまったら

もう絶望しかないじゃないか


外は寒くてさ
濡れた身体には辛すぎるから
グズグズと水の中にいた方がいいんだ

そんな言い訳のような
本音のような

私の心はよく喋る



水から出たらすぐにタオルが欲しい
寒い外を温めておいてほしい
どんなに水面があがっても溺れないように
浮き輪か何かを用意していて欲しい

そう 私はわがままだ


喉が渇くような
苦しさから逃れたい一心で
私はわがままを言った


そんなわがままはもちろん嫌がられた

わかってるんだ

だから膝を抱える


私の中の怪物のような渇望は
人様には見せられない
見せちゃいけない

だからそっと呟くように
顔を上げて
息継ぎをするように

「死にたい」と呟いた

今日もまた
渇望の怪物を抑え込むように


膝を抱える